片頭痛の特徴とその対策
片頭痛の特徴
- 日常生活に支障の出る痛みであることが多い
- 片側にずきんずきんと脈打つような痛み(両側のこともある)
- 痛みは4~72時間続く
- 体を動かすと痛みが強くなる
- 発作前の閃輝暗点(キラキラした光、ぎざぎざの光が視界にあらわれ見えづらくなること)が起こることがある
- 発作時には吐き気や実際に吐いてしまうこともある
- 発作時には光と音、においなどに敏感になることがある
片頭痛の対策
お薬による治療 | 【急性期治療】 ・トリプタン系薬剤 ・Nsaids ・アセトアミノフェン など |
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セルフケア | ・部屋の照明を暗くする ・安静にする ・頭を冷やす など |
お薬による治療 | 【予防療法】 ・抗CGRP抗体薬(アジョビ) ・カルシウム拮抗薬 ・β―遮断薬 など |
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セルフケア | ・光、音、温度変化、寝不足、寝すぎ、空腹などを避ける |
片頭痛発作時の対策のみでは、日常生活への支障が改善されない場合、片頭痛発作をできるだけ起こさないようにする治療(予防療法)を行います。その目的は以下の3つです。
❶発作の回数を減らし程度を軽くする
❷発作が起きたときに服用(頓服)するお薬の効果を高める
❸発作による日常生活への支障を減らす
アジョビの働き
アジョビは片頭痛発作をできるだけ起こさないようにするためのお薬です。
片頭痛は、何らかの刺激により、三叉神経(さんさしんけい)と呼ばれる神経からCGRPなどの神経伝達物質が出され、脳内の血管などに作用することにより起こるといわれています。アジョビは、CGRPと結合し、その働きを抑えることで、片頭痛発作を起こさないようにすると考えられています。
アジョビは片頭痛発作をできるだけ起こさないようにするお薬で、起こってしまった痛みを和らげるお薬ではありません。
頭痛が起こった場合には、痛みを和らげるお薬を適切に服用してください。
アジョビの投与方法
皮下に注射します。
注射の場所は以下のいずれかです。
アジョビの投与方法の選択や変更の際は、医師にご相談ください。
2つの投与方法があります。
❶4週間に1回、1本注射
❶12週間に1回、3本注射
アジョビの主な副作用
注射を打ったところに、次のような症状があらわれる場合があります。
この他にも、かゆみや発疹などのアレルギー反応があらわれる場合があります。
特に気を付けていただきたい副作用
次のような症状があらわれた場合は、ただちに受診してください。
※アレルギー反応は、注射後1ヶ月以内に起こる可能性があります。
- 全身のかゆみ、じんま疹、紅斑、発赤などの皮膚症状
- くしゃみ、せき、ぜーぜー、声のかすれ、息苦しさなどの呼吸器症状
- 顔色が悪い、意識混濁、ふらつき、動悸などのショック症状
- のどのかゆみなどの粘膜症状
- 腹痛、吐き気などの消化器症状
注射を打った後に、いつもと違う体調の変化などの気になることがあれば、すぐに医師または薬剤師に相談してください。
アジョビによる治療で大切なこと
治療の継続
片頭痛発作をできるだけ起こさないようにする治療(予防療法)は、すぐに効果を感じられない場合があります。自己判断で治療を中断してしまうと十分な効果が得られないこともあることから、ご自身では症状の改善が感じられない場合でも、医師と相談しながら治療を継続することが大切です。
頭痛ダイアリー
片頭痛の対策をする上で、発作がいつ、どんなきっかけで起こりやすいのかなど、あなたの頭痛の特徴を知っておくことが大切です。
頭痛の記録を残すことは、頭痛の特徴がわかるだけでなく、医師があなたの治療を考えるための重要な情報になります。